Tech Kids School 教室責任者のてっつーこと、茂業(しげなり)です!
ドイツSTEM留学レポートの第2弾をお届けします!

前回の記事はもう読みましたか? まだの方は、現地の熱気を感じる第1弾を先にチェックしてみてください! (https://techkidsschool.jp/school/2025/11/28/germany_stem_program.html)
https://techkidsschool.jp/event/GlobalSTEM_Singapore/
改めまして、こんにちは! 普段は渋谷校でみんなと一緒にプログラミングをしているてっつーですが、今年の夏は少し特別な場所へ行ってきました。
そう、ドイツ・ミュンヘン!🇩🇪
技術系の企業や研究機関が数多く集まるミュンヘンで、小学4年生から高校1年生までの13名の参加者と共に過ごしました。今回は、現地で取り組んだ開発の様子や、子どもたちが実際に触れたさまざまな体験について、引率としての視点から紹介していきます。
Farningでの共同開発最終日!
初日の緊張もほぐれ、いよいよ現地の教育機関「Farning」でのプログラミング開発が佳境に入りました。
今回子どもたちが取り組んだのはWebサイト開発。 それぞれの子どもたちが興味のあるテーマを選び、Farningの子どもたちとチームを組んで開発を進めます。

最初は「英語、通じるかな…?」と不安そうにしていた子どもたちも、作業が進むにつれて、画面を見せ合いながら必要な部分を確認し合うやり取りが自然と見られるようになりました。コードの動きを指差して相談したり、相手の意図を確認しながら進めたりと、開発という共通の作業を通じて少しずつコミュニケーションが生まれていく様子が印象的でした。
特に高学年クラスを見ていて驚いたのが、アイデア出しや、デバッグ(バグ修正)での生成AIの活用です。 生成AIの方が翻訳精度が高い!と、翻訳アプリではなく、生成AIを翻訳機として活用しているペアも見受けられました。また「コードのエラー、AIに聞いてヒントもらおう」と自然にツールを使いこなし、Farningの子どもたちと一緒に解決策を探る姿は、まさに未来のエンジニアそのものでした。

そして迎えた英語でのプレゼンテーション。日本の子どもたちは、慣れない英語に苦戦する姿が見受けられ、発表は決して簡単ではなかったと思います。それでも、事前にスクリプトを作って練習を重ね、しっかりと発表している姿がとても印象的でした。
中には、作成したプロダクトを実際に動かしながら発表するペアもいて、会場がふっと明るくなるような瞬間もありました。たとえば、ドイツと日本にまつわるクイズアプリを作ったペアは、その場で参加者にクイズを出しながら進めてくれて、見ていて思わず引き込まれました。
自分のつくった作品を、慣れない英語で伝えきった経験は、きっと大きな自信になったはずです。

開発の後は、Farningの子どもたちと一緒にレストランへ向かいました。楽しい食事の場でも、英語でのコミュニケーションは簡単ではありません。料理が運ばれてくるまでの時間には、Farningの先生が用意してくれたカードゲームで盛り上がる様子も見られました。言語に頼らず一緒に楽しめるこうした交流は、壁を越えて自然と距離が縮まっていくのを感じられ、子どもたちは和気あいあいとした時間を過ごしていました。

BMWミュージアム見学とドイツ博物館での学習
3日目は、朝からバスに乗って市内の技術スポットを見学しに行きました。
BMW MUSEUM
まず訪れたのは BMW Museum(BMWミュージアム)です。BMWという名前は “Bayerische Motoren Werke(バイエルン発動機製造株式会社)” の頭文字で、文字どおり「バイエルン州のものづくり」から生まれたブランドなんです。今回の留学の舞台であるバイエルン州とつながっていると思うと、博物館を巡るワクワクも一段階アップしますね!ミュージアムへ向かう途中では、本社ビルである BMW Headquarters(通称 “Four-Cylinder”)の象徴的な外観を車窓から眺めることができ、その独特なデザインに興味をひかれている子どもたちの様子が印象的でした。車が好きな子どもたちからは「ここを一番楽しみにしていた!」という声もあり、入館前からワクワクした空気が漂っていました。

館内には、創業期の航空機エンジンから最新のバイクや自動車まで、多彩な展示がずらりと並んでいます。実はBMWは、もともと航空機エンジンの製造からスタートした企業なんです。今回は、そんな歴史や車種の名前、ロゴの由来などを英語で問うクイズ形式のワークシートを配り、展示を読みながら答えを探す形で見学してもらいました。

BMWのバイクにまたがって写真を撮るスポットでは、思い思いに撮影を楽しむ姿が見られました。最後はBMWの歴代の名車が展示されている広場へ。子どもたちはお気に入りの車を見つけて、一緒に記念撮影を行いました!


ドイツ博物館
午後は、イザール川の中州にある「ドイツ博物館」へ向かいました。ここは島全体がひとつの博物館になっており、その規模は世界最大級。すべての展示を見て回るには、総距離にして約16kmも歩く必要があると言われています。実際に足を踏み入れると、自然科学から工学、通信に至るまで、果てしない展示の数々に圧倒されました。特に、大きな吹き抜けに何機もの航空機が吊り下げられたエリアは圧巻。そのダイナミックな光景に見入ってしまいました。

見学は2〜3人のグループに分かれて行い、それぞれの興味に合わせて自由に館内をまわりました。体験型の展示も多く、実際に手を動かしながら仕組みを理解できる展示は、言葉に頼らなくても楽しめる点がとても良いと感じました。

夕食は、マリエン広場近くの歴史ある建物を利用したドイツ料理店でいただきました。石造りの重厚な雰囲気が印象的で、シュニッツェルやソーセージ、ポテトなど、現地らしい料理をそれぞれ楽しんでいました。
ちなみにシュニッツェルは、日本のカツにも少し似た“薄いお肉をカリッと揚げた料理”で、子どもたちには大人気。今回の留学中は子どもたちからのリクエストもあり、ほぼ毎日のように食べていました。
食事の合間には、みんなで遊べるゲームをしたり、各々のエピソードを語り合ったりと、リラックスした空気の中で自然な交流が生まれていたのが印象的でした。

ホテルに戻った後は、しおりに今日学んだことや、感じたことを記載しました。チャレンジクエストと呼ばれる、留学中にチャレンジするミッションの達成度チェックなどを行いました。
しおりには、子どもたちがその日感じたことを振り返りページに書いてくれました。
たとえば、Farningでの発表を振り返って
「もっと英語ができればよかった…!と悔しくなった。でも、英語を勉強する良いきっかけになった」
と新しい目標につながる声があったり、
「緊張したけど、英語が通じてうれしかった。相方が優しくて安心した! LINEも交換して仲良くなれた!」という、交流を楽しんだ様子が伝わるメッセージもありました。また、3日目の見学を振り返って「自分と同い年の車を見つけた! 黄緑色でかわいかった♡」という微笑ましいコメントもあり、どれもその瞬間の気持ちがいきいきと書かれていました。それぞれが自分の言葉で旅を振り返り、しっかり成長の手応えを感じているのが伝わってきました。

ヴィース教会とノイシュヴァンシュタイン城へ
4日目は少し足を伸ばして、歴史と文化に触れる見学へ向かいました。
ヴィース教会
最初に訪れたヴィース教会は、正式には「ヴィースの巡礼教会」と呼ばれ、1983年に世界遺産として登録された場所です。広い牧草地の真ん中にぽつんと建つこの教会は、ロココ様式の建築として世界的に評価されていて、外観の素朴さからは想像できないほど華やかな装飾が内部に広がっています。
ちょうど私たちが訪れた時はミサの時間と重なっていて、堂内には澄んだ歌声がふわっと響いていました。みんな自然と耳をすませながら、静かにその雰囲気を味わっていました。
中でも印象的だったのは天井の装飾です。実際の高さは20メートルほどですが、見上げるとそれ以上に高く感じられ、「空まで続いているのかな?」と思うような不思議な開放感があります。これは柱や天井画を巧みに使って奥行きを出す“トロンプ・ルイユ(だまし絵)”の技法によるもので、空間をより広く見せるための特徴的なデザインなのだそうです。

ノイシュヴァンシュタイン城
麓で昼食を済ませたあとは、いよいよノイシュヴァンシュタイン城へ向かいます。ここはディズニーランドの『シンデレラの城』のモデルとして有名ですが、実はつい最近、世界遺産にも登録されたばかり。 麓からお城のある山の中腹までは、名物の馬車で移動しました。日本の馬よりひとまわり大きく、10人ほどが乗った台車をぐいぐい引いていく姿は迫力満点! その力強さに、子どもたちも思わず見入っていました。


お城の外観は写真でよく見る中世風のデザインそのものですが、内部は撮影禁止。実際に歩いてみると、細かな装飾や部屋ごとの雰囲気づくりが想像以上にこだわられていて、「あ、こんなふうになっているんだ」と発見の連続でした。
そして、ノイシュヴァンシュタイン城の興味深いところは、見た目は中世なのに、中身は意外とハイテク”なところ。セントラルヒーティング(温風暖房)や水洗トイレ、料理を運ぶためのリフトなど、当時としてはかなり先進的な技術が用いられ、そのギャップがとても印象的でした。子どもたちも「こんな仕組みがあったんだ!」と興味津々で展示を見ていました。

最後の夜は、みんなでレストランへ向かいました。
食事を待つ間にはトランプやボードゲームを囲んで楽しむ姿が見られ、初日の緊張した雰囲気とはすっかり違う、リラックスした空気が流れていました。
ホテルに戻ってからも、高学年の子たちがフリースペースに集まってカードゲームをしていたりと、旅の中で自然と距離が近づいていった様子が印象的でした。

日本へ
約12時間のフライトを終えて日本に到着すると、みんな少し安心したような表情になっていました。スタッフから1人ずつ修了証を受け取る姿はどこか誇らしげで、この旅をしっかりやり切った気持ちが伝わってきました。出発前と比べると、話し方や立ち振る舞いにちょっとたくましさが加わったようにも感じられて、短い期間ながらもそれぞれに確かな経験が積み重なったのだと思います。
てっつーのひとりごと
今回のドイツSTEM留学で、個人的に一番いいなと感じたのは、「プログラミング」という共通点を通じて新しい友達ができていく様子でした。
学校も学年も違うけれど、「ものづくりが好き」「テクノロジーが好き」という同じ興味を持つだけで、会話が自然に生まれ、協力して取り組む姿が広がっていく。その過程を間近で見ることができたのは、とても嬉しい経験でした。

そして!Tech Kids Schoolでは、今夏のドイツSTEM留学プログラムが大変ご好評だったことを受け、第2弾として2026年春に 「Global STEM Program in シンガポール」の開催を予定しています!

今回のテーマは「デジタル先進国家シンガポールで学ぶ、次世代IT×ロボティクス!」
シンガポールは世界デジタル競争力ランキングでも常に上位に入り、ICT教育やAI・ロボティクス教育の整備が非常に進んでいる国です。現地の最先端教室やSTEM施設、IT企業などを訪問し、“世界標準の学び” に触れられる内容となっています。
現在、本申込を受け付けています。 興味のある方は、下記のページから詳細をご覧ください。
◎詳細・お申し込みはこちら
