小学校においてプログラミング教育が必修化になることはご存知ですか?
実は小学校でのプログラミング教育必修化は、新学習指導要領が施行される2020年度から。
そのような時代の流れの中、
「プログラミング教育って何をやるの?」
「どうして必修になったの?」
などなど、疑問や不安は尽きない方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回はプログラミング教育が必修化した背景や、その学習内容などを詳しく解説していきます。
【もくじ】
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■プログラミング教育の必修化はいつから?
■プログラミング必修化の背景
■プログラミング学習とはどんなもの?
■プログラミング必修の課題
■必修化に向けて全国のプログラミング教室も急増中
■必修に向けて全国のプログラミング教育も加熱
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【プログラミング教育の必修化はいつから?】
2017年3月に新学習指導要領が発表され、2020年からプログラミング教育が必修化されることが明記されています。
そのため、2020年4月以降は、各学校で小学生の子どもたちはプログラミングを学習し始めることになります。
一方、中学校ではすでにプログラミング教育は技術家庭科の科目の中で必修化されていますが、2021年から、さらに充実した技術の内容を学ぶことになります。
では、小学校、中学校での具体的な学習内容はどのようなものなのでしょうか?
▼小学校でのプログラミングの学習内容とは
2020年以降に実施される小学校の新学習指導要領では、プログラミング学習の時間を通じた「論理的思考力」の習得を目指すと明記されています。
ア 児童がコンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動
イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
つまり、小学校教育におけるプログラミング教育の時間は「児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけるための学習活動」と定義されます。
ここでポイントになるのが、「プログラミング教育は必修化されるものの、独立した教科になるわけではない」ということ。
小学校における「プログラミング教育」の時間は、あくまでプログラミングを通じて”プログラミング的思考”を身につけるための時間。
そしてこのプログラミング学習を通して、各教科の探究的な学習を目指すことが目標とされています。
▼中学校でのプログラミングの学習内容とは
では、中学校でのプログラミング教育はどのように変化するのでしょうか?
中学校でのプログラミング教育における目標は、以下の通り設定されています。
生活や社会における問題を,計測・制御のプログラミングによって解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 計測・制御システムの仕組みを理解し,安全・適切なプログラムの制作,動作の確認及びデバッグ等ができること。
イ 問題を見いだして課題を設定し,入出力されるデータの流れを元に計測・制御システムを構想して情報処理の手順を具体化するとともに,制作の過程や結果の評価,改善及び修正について考えること。
つまり、生活や社会における問題を、計測・制御のプログラミングによって解決する活動を通じて、プログラムの仕組みを理解し、自ら設定した課題をプログラミングで解決できる生徒を育成する」ということが目標とされています。
現行の学習指導要領で必修化されている中学校の場合、実際にプログラムを作成や修正したりすることまで言及されています。
技術的な内容にまで言及されるのは、2021年以降の新学習指導要領がはじめてです。
【プログラミング必修化の背景】
安倍内閣総理大臣は、これまでも度々プログラミング学習について言及してきました。
参考:『安倍首相、プログラミングは「これからの“読み書きそろばん”」』
参考:『第百九十八回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説』
日本国内でもプログラミング必修化が急がれるようになった背景として、「第四次産業革命」があります。
第四次産業革命とは、IoTやAIなどのIT技術が発達することで、便利なサービスが安価に提供されるようになるということ。
この第四次産業革命が進む時代において、生活が便利になる反面、テクノロジーの発展によりAIやロボットに仕事を奪われてしまう可能性もあります。
こうした時代背景を踏まえると、IT技術の専門知識を持つ人材を育成することは国の急務であり、そのためにも早期プログラミング教育が必要であると考えられるのは当然とも言えるでしょう。
そしてプログラミング教育を重視する国家の動きは日本だけではありません。
欧米をはじめとした諸外国では、すでにプログラミング教育が必修化されていたり、数年のうちに必修化することが決定していたりします。
第四次産業革命下の社会で、私たちは受け身の消費者にとどまることなく、自ら課題を探し、解決できる人材として活躍しなければなりません。
そして将来を担う子どもたちにとって、その教育の意義はさらに大きなものになると考えられます。
【プログラミング学習とはどんなもの?】
事実、小学校においてどのようなプログラミング学習が行われるのか、方針は完全に確定してはいません。
ただひとつ言えることとして、まずは子どもたちが親しみながらプログラミングを学習できるようにすることが重要です。
プログラミングを始めて学ぶ小学生・中学生にとって、最初からプログラムのコードを書くのはとてもハードルが高いこと。
そのため、現在、小学生・中学生向けの学校授業では、Scratch(スクラッチ)などのビジュアルプログラミング言語や教育版レゴブロックなどのロボットが利用されることが多いのではないか、と推測されます。
特にScratch(スクラッチ)はマサチューセッツ工科大学が開発したプログラミング初心者向けソフトなので、これまでプログラミングを学んだことがない小・中学生でも、楽しみながらプログラミングを学ぶことができます。
2020年のプログラミング教育必修化に向けて文部科学省、総務省、経済産業省が取り組んでいる未来の学びコンソージアムにある実施事例では、算数において「正多角形をプログラミングを用いてかく」授業や、理科において「電気を効率よく使うにはどうしたらいいか?」といったテーマでプログラミングを取り入れる授業が実践されています。
【プログラミング必修の課題】
プログラミング教育を必修化するにあたり、未だ解決できていない課題も多くあります。
例えば、
・具体的なカリキュラムの制定や、教材の選定、評価方法などの準備期間が短いこと
・プログラミングを指導できる教員が不足していること
などが大きな課題。
こうした背景を踏まえ、公教育機関は少ない指導者で多くの生徒を指導できる仕組みづくりを行ったり、外部人材を活用するべく地域大学との連携を強めたりするなどの対策を取っています。
【必修化に向けて全国のプログラミング教室も急増中】
プログラミング教育の必要性や効果が注目されるにつれ、全国的にプログラミング教室が増加しています。
ところが一口に「プログラミング教室」と言っても、PC操作に慣れることを目的とした教室から、技術力に特化した教室まで、そのスタイルや教育方針は様々。
たとえば、IT企業であるサイバーエージェントが運営する、小学生のためのプログラミングスクール「Tech Kids School」では、
「テクノロジーを武器として、自らのアイデアを実現し、社会に能動的に働きかける人材」
の育成を目的として、アイデアを実現するための技術力だけでなく、積極的に課題を発見したり、自ら解決しようとする能動的な姿勢を養うことに力を注いでいます。
Tech Kids Schoolは、
●長期的に通学しプログラミングの実力を身につける継続学習プラン
●夏休みや春休みの短期間でプログラミングを集中的に体験学習するプラン
を用意しています。
お子様の性格や学習環境に合わせたプランを選択し、基礎から応用まで、本格的なプログラミングを学ぶことができます。
▶︎ Tech Kids Schoolについてもっと知りたい方はコチラ
▶︎ Tech Kids Schoolの入学説明会&体験会の詳細は方はコチラ
【まとめ】
プログラミング必修化の背景には第四次産業革命を担う人材育成という目的があり、その重要性は世界規模で認知されています。
日本国内においても、小学校でのプログラミング必修化は2020年、そして中学校でのカリキュラム改定は2021年に控えており、この新教育指導要領の中で、子どもたちの論理的思考力や、技術を用いた課題解決能力を育成することが目標とされています。
今回は、プログラミング必修化とはそもそもなんなのか?具体的な学習はどんなものなのか、といった話に焦点を当てました。
まだまだプログラミング教育について不明瞭なことばかり。
こちらにブログでは、小学生向けのプログラミング教育に関する記事を定期的に発信していきたいと思います。